公開日:2025年8月12日

ISMSとPマークの違いとは?情報セキュリティ認証の選び方ガイド

ISO/IEC27001の審査が月額 ¥17,000円(税抜)から

東京スタンダードでは、ISO/IEC27001審査が月額¥17,000(税抜)~。ISO未経験の企業でも、取得に向けて準備に取り組みやすいITツール・文書テンプレートもご提供しています。

この記事は8分半で読了することができます。

「ISMSとPマーク、どちらを取得すべきか迷ってる」

「取引先から認証取得を求められたが、違いがよくわからない」

「費用対効果を考えて、自社に最適な認証を選びたい」

「既存の業務に負担をかけずに認証を取得したい」

 

このような課題をお持ちの情報セキュリティ担当者や経営層の方は多いのではないでしょうか。

実は、ISMSとPマークは対象範囲や取得プロセス、費用面で根本的に異なる認証制度であり、企業の業種や規模、取引形態、将来戦略によって最適な選択は大きく変わります。

 

本記事では、両認証の違いを様々な項目から詳しく解説します。自社に最適な認証を選択するために役立てて下さい。

ISO/IEC27001(ISMS)とは何か知りたい方や取得を検討している方に向けて、ISO/IEC27001(ISMS)の仕組み、要求事項・管理策、認証取得のメリット・デメリットなどをわかりやすく解説!

ISMSとは

ISMS(Information Security Management System:情報セキュリティマネジメントシステム)は、組織の情報セキュリティを体系的かつ継続的に管理するための国際規格「ISO/IEC 27001」に基づいて、第三者が客観的に評価し、認定する認証制度です。

 

この仕組みは、組織が保有するすべての情報資産を対象としており、情報セキュリティの3要素である「機密性(Confidentiality)」「完全性(Integrity)」「可用性(Availability)」をバランスよく維持・改善することを目的としています。

✔check! 情報セキュリティの3要素(CIA)

ISMSでは、リスクアセスメントを用いて、組織が直面する情報セキュリティ上のリスクを洗い出し、それぞれのリスクに対して最適な管理策を選択・実装します。ISO/IEC 27001では93の管理策が定められており、その中から組織の状況に応じて必要なものを選択し、対策を実施します。

 

ISMSを取得することで、情報セキュリティへの信頼性が高まり、取引先や顧客からの信用を獲得できるほか、リスク管理の仕組みが整うことで情報漏えいなどのトラブルを未然に防ぐ効果が期待できます。

Pマーク(プライバシーマーク)とは

Pマーク(プライバシーマーク)は、個人情報の保護に特化した日本独自の認証制度であり、JIS Q 15001(個人情報保護マネジメントシステム—要求事項)に準拠しています。この制度は、組織が個人情報を適切に取り扱うための体制を整え、継続的に改善を行っているかどうかを、第三者が客観的に評価し、認定する仕組みです。

 

Pマークでは、個人情報のライフサイクル全体を通じた管理が重視されます。つまり、個人情報の「取得→利用→保管→廃棄」という一連のプロセスの各段階で、適切な保護措置を講じることが求められます。

Pマークを取得することで、単に法令を順守するだけでなく、個人情報保護法の要求を上回る高いレベルでの管理体制を有していることを対外的に示すことができます。

ISMSとPマークの違い一覧

ISMSとPマークの違いを表にまとめました。それぞれの違いについて、詳しくみていきましょう。

比較項目ISMS(ISO/IEC27001)Pマーク(JIS Q 15001)
審査範囲事業所・部門・拠点単位での限定取得可能法人全体での取得必須
保護対象全ての情報資産(個人情報含む)個人情報のみ
準拠規格ISO/IEC 27001(国際規格JIS Q 15001(国内規格
市場認知BtoB向け、国際的な認知度高BtoC向け、国内での認知度高
目的情報セキュリティ全般の向上個人情報保護・プライバシー保護
認証取得までにかかる期間
(準備~認証取得)
9か月~12か月程度※1半年程度
審査の頻度毎年1回
※3年に1回、更新
2年に1回
審査の違い①認証範囲を自由に選べる
②定められた手順や文書はない
③運用の自由度高
①全社で取得
②手順や文書が決まっている
③運用の自由度低
対策方法全ての情報資産に対するリスクアセスメントの実施。組織に適切な管理策の決定個人情報に対する具体的なリスクに絞って、実務的な対策を決定
費用
(小規模の場合)
■認証機関によって異なる ※2
初回約20-40万円
定期約15-30万円
■どこでも費用は同じ
初回約30万円
更新約23万円(2年ごと)

※1 当社でT-webサービスを利用した場合のスケジュールです。
※2 当社で審査した場合の料金になります。

審査範囲の違い

ISMSは、取得する組織側が認証の「適用範囲」を柔軟に定めることが可能です。たとえば、ある特定の事業部門やサービス、あるいは一部の拠点のみを対象にしてISMSを取得することも認められており、企業の実情に合わせた運用がしやすい仕組みとなっています。

Pマークは、原則として法人全体を対象とします。組織内の特定部署や拠点だけで取得することはできず、全社的な個人情報保護体制の整備が求められます。

保護対象の違い

ISMSでは、組織の全ての情報資産を対象とします。個人情報はもちろん、財務情報、技術情報、営業機密、顧客データベース、システム設計書、製品仕様書など、企業が保有するあらゆる情報が保護対象となります

この包括性により、情報漏洩による事業影響を総合的に軽減できる一方、管理対象が広範囲になるため、運用負荷は高くなります。

Pマークは、個人情報のみに特化した認証制度です。

個人情報保護法への対策が確実になり、消費者への信頼性アピールが効果的な反面、社内の機密情報の保護という点は認証の範囲外になってしまいます。

認証の要求(要件)の違い

ISMSは、組織が保有する情報資産を守るために、情報セキュリティの仕組みを構築し、継続的に運用・改善していくことを要求しています。

そのため、組織は情報セキュリティに関する方針と目標を定め、その方針に基づいて体制やルールを整える必要があります。

Pマーク(プライバシーマーク)制度が要求しているのは、事業者が個人情報を適切に取り扱い、保護するためのルールや体制を整備し、実行していることです。

ISMSのような全社的なリスク評価や、あらゆる情報資産を対象とした管理体制までは求められていません。その代わりに、個人情報の取扱いに特化した実務的で具体的なルールの整備と運用に重点が置かれています。

セキュリティリスクへのアプローチの違い

ISMSでは「リスクアセスメント」と呼ばれる手順に重きを置いています。

 

組織は、リスクアセスメントを通して発見したリスクに対し、ISMSが定める93の管理策から自社に適した対策を選んで文書化(適用宣言書)し、それを日常業務に組み込みます。

✔check! リスクアセスメントとは?

自社が扱う情報資産(例:顧客情報、契約書、業務システムなど)を洗い出し、それぞれの資産にどのような脅威や弱点があるかを分析し、その分析をもとに、情報漏えいや業務停止といったリスクを評価し、必要な対策を講じること。

情報セキュリティ対策の向上や報セキュリティ対策の向上やISO/IEC27001(ISMS)取得を検討している方に向けて、ISMSリスクアセスメントの基本的な手順や進め方が分かる記事です。

Pマークでは、「個人情報に対する具体的なリスクに絞って、実務的な対策を講じる」という特徴があります。

組織は、自社で扱う個人情報の種類や保管場所を把握し、どこにリスクがあるかを整理します。そのうえで、書類の紛失や誤送信、不正アクセス、委託先での不適切な管理など、現実的な事故を想定し、それに備えるリスク対策として「組織的」「人的」「物理的」「技術的」な安全管理措置を講じます。

たとえば、責任者の任命、従業員教育、物理的な保管管理、アクセス制限やウイルス対策などが該当します。

費用の違い

費用面では、企業規模や認証機関によって大きく異なりますが、一般的にPマークの方が初期費用・維持費用ともに低額です。

〈小規模企業(50名以下)の場合〉

〈中規模企業(51-300名)の場合〉

〈大規模企業(301名以上)の場合〉

東京スタンダードでは、ISMS(ISO/IEC27001)の審査を月額17,000円からの月額定額制で提供しており、従来の認証機関と比較して大幅なコスト削減が可能です。

以下の料金一覧表を是非、参考にしてください。

参考:東京スタンダードで提供しているISMSの料金一覧表(税抜)

人数初回(新規)審査定期審査及び更新審査
1~5¥304,000¥204,000
6~10¥304,000¥204,000
11~15¥328,000¥228,000
16~25¥378,000¥228,000
26~45¥500,000¥300,000
46~65¥560,000¥360,000
66~85¥572,000¥372,000
86~125¥682,000¥432,000

※ISMS(ISO/IEC27001)の費用は当社で審査をする場合の費用をご紹介しておます。なお、表に記載した料金は業種や事業所数により異なる場合があります。

※審査の費用は認証機関によって異なりますので、詳しい料金は各認証機関にお問い合わせください。

Pマーク(プライバシーマーク)の費用は、3段階の事業者規模業種で費用が決まります。

事業所規模の定義は、2つ目の表を確認してください。

参考:Pマーク(プライバシーマーク)の料金(税込)

初回(新規)審査更新審査
事業者規模小規模中規模大規模小規模中規模大規模
費用の合計
(申請料+審査料+付与登録料)
314,288¥628,573¥1,257,144¥230,478¥471,430¥942,858

業種分類
小規模
(従業員数)
中規模
(従業員数)
大規模
(従業員数)
製造業・その他2~20人3億円以下または
21~300人
3億円超かつ
301人~
卸売業2~5人1億円以下または
6~100人
1億円超かつ
101人~
小売業2~5人5千万円以下または
6~50人
5千万円超かつ
51人~
サービス業2~5人5千万円以下または
6~100人
5千万円超かつ
101人~

ISMSおよび、Pマークの認証を取得するためには、上記の費用に加えて、コンサルティング費用(50-200万円)や内部工数も考慮する必要があります。

 費用対効果を考えると、ISMSは費用が高い場合が多いものの、包括的なセキュリティ向上国際的な信頼獲得により、新規取引獲得や事業拡大に大きく貢献し、Pマークは費用を抑えながら、個人情報保護の確実性消費者信頼を獲得できます。

 

東京スタンダードでは、ISMS(ISO/IEC27001)の審査を月額17,000円からの月額定額制で提供しており、従来の認証機関と比較して大幅なコスト削減が可能です。また、T-webサービスを活用すれば、コンサルタントに頼らず自社で効率的に取得の準備や運用ができるので、トータルコストを大幅に削減できます。

どちらを取得するといいか

情報セキュリティ認証の取得を検討する際、ISMS(ISO27001)とPマーク(プライバシーマーク)のどちらを選ぶかは、企業の事業戦略や取り扱う情報の性質によって大きく異なります。

ISMSは国際標準の包括的な情報セキュリティ管理システムで、技術系企業やBtoB事業に適しています。一方、Pマークは日本独自の個人情報保護に特化した認証で、消費者向けサービス業に高く評価されています。

どちらも相応の時間とコストが必要なため、自社のビジネスに最適な認証を選択することが成功の鍵となります。以下に適性診断チェッカーを用意したので、判断材料の一つとして活用ください。

ISMS・Pマーク適性診断チェッカー

ISMS・Pマーク適性診断チェッカー

以下の14項目のうち、該当するものにチェックを入れてください。

事業・顧客について

情報の取扱いについて

要求・規制について

組織・リソースについて

📊 診断結果

Pマーク
0
ISMS
0
チェックボックスを選択してください

自社に適切な認証を選択し、セキュリティの向上と競争力強化に繋げよう

ISMSとPマークの選択は、単なる認証取得ではなく、企業の情報セキュリティ戦略そのものです。重要なのは、認証取得を通じて実効性のある情報保護体制を構築し、事業成長に結びつけることです。自社に合った認証の選択と適切な運用をすることで、情報セキュリティレベルの向上と事業競争力の強化を同時に実現できます。

 

東京スタンダードでは、ISMS(ISO/IEC27001)の審査を月額17,000円からの月額定額制で提供しており、従来の認証機関と比較して大幅なコスト削減が可能です。また、T-webサービスを活用すれば、コンサルタントに頼らず自社で効率的に取得の準備や運用ができるので、トータルコストを大幅に削減できます。もしご興味がある方は以下のお見積りシミュレーターをお試しください!

2023年東京スタンダード設立。エイエスアール株式会社、アームスタンダード株式会社、アフノールジャパン株式会社、QAICジャパン株式会社をグループ会社として持ち、ISO認証登録件数グループ合計5,500件以上の実績を持つ。長年の経験とノウハウを活かして、ISOをより活かすことができるお役立ち情報を発信。

記事の監修者

東京スタンダード編集部

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