公開日:2024年12月10日

ISOはもう時代遅れ? 「形骸化」させない運用方法とは?

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ISOに関するあらゆる費用がどのようにかかるのか、また、それらの費用を抑える方法を解説しています。

「ISOはもう時代遅れ」という声を最近耳にすることがあります。これから新しくISOの取得を考えている方たちには少し驚きの内容かもしれませんが、ISOが日本で爆発的に普及した2000年代のブームに比べ今は少し落ち着いた印象を受けます。事実ISOのマネジメントシステム規格のメジャー規格であるISO9001の認証取得数は2008年をピークに大幅に減少し、現在は緩やかに上昇をしています。

さて、このように下火となってしまったISOですが、なぜISOは「時代遅れ」と言われるようになってしまったのでしょうか?

ISOの歴史

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ISO離れが起きている理由を知るためにはISOがどのように日本で普及してきたのかを知ることが肝心です。

1947年に設立されたISO(国際標準化機構)は品質管理や業務の標準化の重要性が世界的に認識される中で成長し、日本の企業においても、1990年代~2000年代にかけてISO認証を取得することが高品質であることの象徴とされ、多くの企業が競って導入することとなりました。
また、一部の業種においては取引先から取得の要求があったり、入札や評価の加点になったりするなど、ISO本来の「継続的に改善できる仕組みを構築する」という目的からは、若干外れたメリットが、確かに存在していました。

2000年代に入るとISOの爆発的普及とともに、規格が細分化され、企業が持つべき管理システムの多様化に、規格が対応しました。それにしたがって、審査や更新にかかる手間やコストが大きくなりました。そのため、「認証マークを保持する」ことだけが目的の企業にとっては負担が増大する一方、単なる形式的な認証の取得に終わってしまうケースも見られました。

2000年代後半以降、こうしたデメリットが声高に叫ばれるようになり、いわゆる「形骸化」という問題として認識されるようになりました。

ISOブームに乗じて取得した企業が増えたことで、日本においてその希少性が損なわれたため、ISOのマークによる競争優位は小さくなり、ISOを取得することはスタンダードであると市場の要求が肥大化し、その要求に応えるべく、単なるマークを得るための認証の取得が繰り返され、「形骸化」の道をたどってしまいました。

このようにして、ISOをマネジメントシステムの改善ではなく、単にマークを貰うことだけを目的に取得する企業が増えたため、同時にISOは形骸化したものと認識する人が増えました。

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ISOの転換

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さて、ISOは確かに「継続的に改善できる仕組みを構築する」という目的以外にも、前章で解説した、様々なメリットが存在します。しかし、それらのメリットに引きずられるといわゆる「形骸化」につながってしまいます。では、具体的に何をすることでISOの形骸化を防ぐことができるのでしょうか?

ISOを形骸化させないためには?

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ISOを形骸化させないためには、日々の業務改善に直結させることが重要です。例えばISO9001であれば品質基準を細かく設定するだけでなく、顧客満足度やフィードバックに基づいてプロセスを改善することでISOが「形骸化」するのを防げます。また、ISO規格はあくまで「枠組み」です。この「枠組み」の中に組織の文化や目的を落とし込むことで、柔軟にマネジメントシステム規格を運用することができます。

また、ISO認証の取得をコンサルにまかせっきりにすると、実務とマッチしないマネジメントシステムが構築されてしまう可能性があります。ISO認証の取得はあくまで、健全で効率的な経営を助ける手段であることを再確認し、ISOで審査の対象となるマネジメントシステムの構築には積極的に携わったり、一部もしくは全部を内製化したりすることも重要です。

このようなプロセスを経ることでISOの規格の理解も捗り、ISO本来の品質向上の力が発揮されることになります。また、現在ではISOの基準をもとに構築したマネジメントシステムを、効率的に管理するためのITツールが、数多く提供されています。文書管理や進捗確認、内部監査の記録をデジタル化することで、アクセスや保存が容易になり、マネジメントシステムの構築にかかる負担を低減できます。
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まとめ

ISOは数年おきに規格が改訂され、世の中の技術の進歩に合わせて、適切なマネジメントシステムが構築できるように要求事項が変わります。つまり、再三になりますがISOは「取得して終わり」ではなく、時に柔軟に活用し、組織の成長と改善に直結させることが重要です。ISOの規格を単なる基準としてとらえず、実務に役立つように適用することで、ISOの力を存分に利用しましょう。

2023年東京スタンダード設立。エイエスアール株式会社、アームスタンダード株式会社、アフノールジャパン株式会社、QAICジャパン株式会社をグループ会社として持ち、グループ年間審査件数5,300件以上の実績を持つ。長年の経験とノウハウを活かして、ISOをより活かすことができるお役立ち情報を発信。

記事の監修者

東京スタンダード編集部

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