公開日:2025年6月3日

【属人化解消】業務のドキュメント化実践ガイド
ISOにも対応できる文書整備の進め方

ISO文書テンプレを一式搭載!文書管理ツール『T-web』

ISO認証を初めてご取得されるお客様向け!

文書の作成や管理にかかる負担を削減し、お客様の実態に合った、運用しやすいマネジメントシステムを構築できる!

この記事は11分で読了することができます。

「〇〇さんが休むと業務が止まる」「新人に引き継いでも、なかなか定着しない」
中小企業ではこのような“属人化”の悩みがつきものです。

退職や異動のたびに業務が混乱し、生産性の低下や品質のばらつきが発生することも珍しくありません。


こうした属人化の問題を解消する有効な手段が、「業務のドキュメント化」です。

さらに、ISO認証や外部監査への対応を考えている企業にとっても、文書化された情報の整備は欠かせない要件です。

 

本記事では、中小企業でも実践できる「業務のドキュメント化」の基本と進め方、ポイントまでを、具体例を交えてわかりやすく解説します。

業務のドキュメント化とは?—意味と目的を整理しよう

◆ ドキュメント化とは

data-storage

業務のドキュメント化とは、業務の手順や判断基準、注意点などを、文字や図表などを使って誰が見ても理解できる形で記録・共有することです。

単に文章として記録するだけではなく、「誰にでも伝わるか」「見ればすぐに実行できるか」といった再現性の高さが求められます。

ドキュメント化の主なメリット

ドキュメント化をしないことで起こる問題を交えて、メリットについて紹介します。

担当者の退職・休職・異動で業務が止まる、担当者の不在時に誰も対応できない…というケースは、特に年末年始や繁忙期に深刻です。

ドキュメント化をすることで、特定の担当者に依存せず、誰でも同じ業務ができる状態を作れます。担当者の急な退職や休職にも対応しやすくなります。

教える人によって内容が違ったり、「横について覚えるしかない」状態になったりします。

ドキュメント化をすることで、新人教育やパート社員への説明もドキュメントをベースに進めることができ、都度教える手間が減ります。OJTや引き継ぎにかかる時間が削減され、現場の負担も軽減されます。

マニュアルがないと、判断や対応が人任せになり、品質がばらついたりミスが多発したりします。

ドキュメント化をして手順やルールを明文化することで、作業のばらつきを防ぎ、一定の品質を保てます。

⇒業務フローや管理体制を文書で示すことは、ISOの審査や外部監査でも大きな評価対象となります。

業務ドキュメント化の進め方【 5ステップ 】

ドキュメント化は、一気に完璧を目指すのではなく、「まずやってみる」ことが重要です。

まずは業務の6割程度を書き出すことを目標に、段階的に行いましょう。

ここでは、中小企業でも無理なく取り組めるドキュメント化の進め方を、5つのステップに分けてご紹介します。

STEP1:属人化している業務を洗い出す

まずは、どの業務が属人化しているのかを棚卸しましょう。

✔ check! 属人化している業務とは?

複数の社員にヒアリングしながら、業務のブラックボックスを可視化する!

STEP2:業務の流れ・判断基準を整理し、必要な情報を洗い出す

属人化している業務の目的・手順・判断基準・使うツールや書類を整理します。

check!

「どんな順番で、何を見て、どう判断しているのか?」を丁寧にヒアリング・観察し、曖昧な部分を明確にする!

T-webサービスイメージ

約200種類の文書テンプレートの提供や専任スタッフによるサポートにより、文書作成が簡単に完了できます。月額9,700円(税抜)~ご利用いただけます。

STEP3:マニュアルや手順書のひな形を作る(文書化する)

情報を整理できたら、いよいよ文書化です。といっても、最初から完璧なマニュアルを目指す必要はありません

以下のような形式で、まずは「見やすく・伝わりやすい」文書を意識しましょう。

check!

最初から完璧なマニュアルを目指さない!

記録の「一貫性」「正確性」「再現性」を意識した、フォーマットの工夫が重要!

STEP4:現場で実際に使ってもらい、改善する

文書を作っただけでは意味がありません。
実際に使ってもらい、「わかりにくい部分」「手順と合っていない部分」がないかフィードバックをもらいましょう。

→ 図や表を入れる、形式を変える(箇条書き→図解 など)

→ 要点をまとめ直す

→ 他者にレビューしてもらう

“現場で使えるか”という視点で改善する!

STEP5:更新ルールを決め、継続できる体制にする

最後に、作った文書を更新するルールを決定しましょう。

業務は日々変化します。文書が古くなると、逆に誤った情報で混乱を招いてしまうリスクがあります。

新しい文書をいつどこにどうやって更新・管理するのか、ルールを決めましょう。

✔ check! 更新ルールの例

担当者だけでなく、チームで運用する意識を持つ!

この5ステップを繰り返すことで、少しずつ組織全体に「ドキュメント化の文化」が根づいていきます。

中小企業でも続けられる仕組み化のコツ

フォルダにファイルを入れる

ドキュメント化は、最初だけ頑張って「続かない」状態になってしまう企業も少なくありません。

特に中小企業では、担当者の負担が大きくなりやすいため、無理なく続けられる仕組み化が重要です。

ここでは、そんな中小企業でも無理なく続けられるようにする工夫をご紹介します。

①1業務・1文書から始める

はじめから全業務を文書化しようとすると、挫折の原因になります。

まずは影響の大きい業務や、属人化が深刻な業務を1つだけ選んで文書化してみましょう。

成功体験を積むことで、他のメンバーにも良い影響が生まれます。

②「使う人」と「作る人」を分ける

実務担当者がマニュアル作成も兼ねると、どうしても負担が重くなりがちです。

実務担当者にヒアリングして別の人がマニュアルを作成し、実務担当者や第三者のレビューによってブラッシュアップするなど、役割を分けると効率的に進められます。

例:

口頭で業務の流れを説明する、実際に作業している様子を見せる、よくあるトラブルを挙げる。

説明を録音・録画して文字起こしする、ヒアリングをもとに作成する、テンプレートに落とし込む、見やすく整理する、表現を統一する。

③ 文書の共有場所を一本化する

「どこに何があるかわからない」状態では、せっかく作った文書も活用されません。

など、アクセスしやすく・探しやすい工夫が重要です。

④ 社内ルールに組み込む

文書形式特徴向いているケース
手順書(箇条書き)手順をステップごとに記載単純作業、繰り返し業務
フローチャート条件分岐がある業務クレーム・問い合わせ対応など
Q&A形式判断に迷いやすい業務イレギュラー対応、例外判断
画面キャプチャ付きマニュアルITツールの操作説明システム入力、ツール利用など

更新やチェックのタイミングを、社内ルールに落とし込んでおくと継続しやすくなります。

例:

こうしたルールがあると、「やらなくても問題ない」状態から脱却できます。

他にも、

などの工夫が挙げられます。

おすすめのドキュメント化ツールとテンプレート

ドキュメント化を効率よく進めるには、目的や組織の規模に合ったツール選びが重要です。

ここでは、特に中小企業でも導入しやすいおすすめツールと、活用しやすいテンプレート例を紹介します。

よく使われるツールと特徴

ツール特徴向いている用途
T-web専任スタッフのサポート有。テンプレートも豊富マニュアル、チェックリスト、作業記録、ISO取得に向けた文書作成
Microsoft Word / Excel多くの企業で導入済み。テンプレートも豊富マニュアル、チェックリスト、作業記録など
Googleドキュメント / スプレッドシートクラウド上で共同編集が可能チームでの共有・リアルタイム編集
Notion見た目が整っており、マニュアルやWikiに最適部門横断の情報共有、プロジェクト管理
Confluence組織内ナレッジの蓄積・整理に強みエンジニアや開発チームのナレッジ管理
Dropbox / Googleドライブファイル共有やドキュメント保管に便利ドキュメントのストレージと社内共有
項目 / ツール T-webサービス Word / Excel Google ドキュメント / スプレッドシート Notion Confluence Dropbox / Google ドライブ
同時編集のしやすさ
権限管理の柔軟性
業務フローとの連携 × ×
テンプレートの豊富さ ×
ISO対応のしやすさ × × ×
検索性・再利用性
社内浸透のしやすさ
比較項目 弊社サービス Microsoft
Word/Excel
Google
ドキュメント/スプレッドシート
Notion Confluence Dropbox/
Googleドライブ
リアルタイム編集
★★★☆☆
★★★☆☆
★★★★☆
★★★★☆
★★★☆☆
★★☆☆☆
操作のしやすさ
★★★★★
★★★☆☆
★★★★☆
★★★★☆
★★☆☆☆
★★☆☆☆
社内共有のしやすさ
★★★★★
★★★☆☆
★★★★☆
★★★☆☆
★★★☆☆
★★★★☆
構造化・整理のしやすさ
★★★★☆
★★★☆☆
★★★☆☆
★★★★☆
★★★★☆
★★☆☆☆
ファイル管理・検索性
★★★★☆
★★★☆☆
★★★☆☆
★★★★☆
★★★☆☆
★★★★☆
共同編集・履歴管理
★★★★☆
★★☆☆☆
★★★★☆
★★★★☆
★★★☆☆
★★★☆☆

初めてでも使いやすいテンプレート例

テンプレートを活用することで、ゼロから作らずに済み、短時間で高品質なドキュメントを作成できます。以下は代表的なテンプレート例です。

多くのツールではテンプレートが配布されており、無料でダウンロードできるサイトも存在します。必要に応じてカスタマイズし、自社の業務に合った形で活用しましょう。

T-webサービスイメージ

約200種類の文書テンプレートの提供や専任スタッフによるサポートにより、文書作成が簡単に完了できます。月額9,700円(税抜)~ご利用いただけます。

ドキュメント化に関するよくある質問(FAQ)

よくあるご質問

基本的には「新人が見ても迷わず行動できるレベル」が目安です。
判断の根拠や例外対応なども記載すると、実践的なマニュアルになります。ただし、細かくしすぎて運用が回らなくなる場合は、まずは要点だけでも書き出し、後からブラッシュアップする形がおすすめです。

たとえば、営業プロセス、見積書の作成手順、社内システムの操作方法などです。
属人化が進んでいる業務から優先的に文書化することで、引き継ぎリスクの軽減と教育コストの削減につながります。

ドキュメントは、ファイル共有フォルダの奥深くにあっては意味がありません。アクセスしやすい場所(例:Notion、Googleドライブのトップなど)に置き、定期的に更新する仕組みを作りましょう。
また、検索しやすいタイトルや目次をつけ、読む側の負担を減らす工夫も有効です。

完璧を目指すと継続できないため、まずは「月に1件だけでも作成・更新する」といった小さなルールから始めましょう。また、月1回のドキュメント見直し日を設けることで、内容の陳腐化も防げます。
経営層が率先して取り組むことで、全社的な文化として定着しやすくなります。

  1. ISOでは「言われたとおりやっている」だけでなく、「誰がやっても同じようにできる仕組み」が重視されます。業務フロー、役割分担、記録の保存方法まで含めてドキュメント化しておくことが、審査での信頼性にもつながります。
    あらかじめISO向けのテンプレートやチェックリストを活用するのも有効です。

ドキュメント化は“未来の自社への投資”

「〇〇さんしか分からない」「業務のやり方が人によって違う」
――そんな状況を放置しておくと、日々の業務の属人化が深刻化し、人材の引き継ぎ・育成・業務効率化すべての場面でリスクとなっていきます。

ドキュメント化は、「今すぐ時間と労力がかかる施策」に見えるかもしれません。
しかし、中長期的には「誰でも同じ品質で仕事ができる仕組み」をつくることにつながり、組織の安定と成長を支える大きな基盤になります。

 

本記事で紹介したように、

ことで、誰でも実践可能な形でドキュメント化を進められます。

まずは1つ、自社で属人化している業務を書き出してみることから始めてみましょう。
明日からでもできる「未来への準備」が、ここから始まります。

ITツール「T-web」で、ドキュメント化をもっとカンタンに

とはいえ…

こういったお悩みは、どの企業様にも共通しています。

弊社では、ドキュメント作成の負担を軽減し、仕組みづくりをサポートするITツール「T-web」をご提供しています。

T-webでできること

まずはT-webで、もっと簡単に業務のドキュメント化をしてみませんか?

T-webサービスイメージ

約200種類の文書テンプレートの提供や専任スタッフによるサポートにより、文書作成が簡単に完了できます。月額9,700円(税抜)~ご利用いただけます。

2023年東京スタンダード設立。エイエスアール株式会社、アームスタンダード株式会社、アフノールジャパン株式会社、QAICジャパン株式会社をグループ会社として持ち、ISO認証登録件数グループ合計5,500件以上の実績を持つ。長年の経験とノウハウを活かして、ISOをより活かすことができるお役立ち情報を発信。

記事の監修者

東京スタンダード編集部

DOCUMNET REQUEST

こちらのフォームにご入力後、弊社サービスやISOに関する資料がダウンロードできます。

    お名前*

    会社名*

    本社所在地*

    電話番号*

    メールアドレス*

    個人情報の取扱いに同意する*

    同意する

    ※個人情報の取り扱いについてはこちら