公開日:2026年3月3日
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「マネジメントレビューって、どんな内容を話せばいいの?」
「経営者が忙しくて、形だけの会議になってしまっている…」
「審査では何を確認されるのか不安…」
そんな悩みを抱えているISO担当者や経営層の方も多いのではないでしょうか?
ISOで求められる「マネジメントレビュー」は、ISO9001をはじめとする各規格に共通して要求される重要なプロセスです。単なるISO対応の会議ではなく、経営層が組織の仕組みやパフォーマンスを評価し、経営判断につなげるためのものです。
本記事では、マネジメントレビューの目的、具体的な議題、審査での確認ポイントなどを分かりやすく解説します。
この記事で解決できる課題
マネジメントレビューとは、マネジメントシステムが
をトップマネジメント(社長、経営層)が評価し、改善の指示をする一連の流れです。
単なる「会議」ではなく、「経営判断プロセス」として位置づけられています。
マネジメントシステムに関する経営判断に必要な情報の報告
マネジメントシステムが組織に合っているか?過不足ないか?結果が出ているか?
社長や経営層
マネジメントシステムの変更や改善の指示を出す
マネジメントレビューの目的は、会社のしくみが、顧客からの要求や会社の方向性と合っているかを判断し、今後の経営に結び付けることです。
メリット
マネジメントレビューは、組織の方針や目標達成に向けた重要な意思決定の場となります。
マネジメントレビューでは、ISO9001箇条9.3.2で規定された、以下のインプット・アウトプット項目を議題として扱う必要があります。
※表現が一部異なる部分はありますが、どの規格でも項目は基本的に共通です。
※毎回のレビューで、すべての議題を取り扱う必要はありません。1年を通して全項目の議題を取り扱いましょう。
| インプット (確認すべき事項) | |
|---|---|
|
a)前回のマネジメントレビュー結果と実施状況
|
c)QMSのパフォーマンス及び有効性
1)顧客満足・利害関係者フィードバック
2)品質目標の達成度
3)プロセスパフォーマンス・製品適合
4)不適合及び是正処置
5)監視及び測定の結果
6)監査結果
7)外部提供者のパフォーマンス
|
|
b)外部・内部の課題の変化
|
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d)資源の妥当性
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e)リスク及び機会への取組みの有効性
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f)改善の機会
|
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| アウトプット (決定すべき事項) |
|---|
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a)改善の機会
|
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b)品質マネジメントシステムのあらゆる変更の必要性
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|
c)資源の必要性
|
マネジメントレビューでは、以下の項目を議題として取り上げる必要があります。
前回のレビューの改善策や指示事項が、どのように実施され、どのような結果をもたらしたかを確認します。
前回決定した
改善策や指示
どうやった?
どうなった?
例
前回「営業部門の提案書作成プロセスを標準化する」と決定
⇒ 標準化の進捗状況や効果(提案書作成時間が3日から2日に短縮、受注率が5%向上など)を報告
箇条4で考慮した外部・内部の課題の変化を報告し、組織の戦略上の方向性に与える影響もレビューします。
主な確認内容
市場動向や
競合状況の変化
法令改正の状況
とその対応
組織変更
(部門再編、人員の増減など)
新規事業の立ち上げ
や既存事業の縮小
例
この項目では、以下の7つの傾向を含めて報告します。
顧客や取引先などからの評価や意見を報告します。
主な確認内容
顧客アンケートの結果
クレームや苦情の件数・内容
取引先からの評価
例
設定した品質目標の達成度合いを報告します。
主な確認内容
KPI
各部門のKPI進捗状況
目標達成率
目標未達の原因分析
例
目標:不良率0.5%以下
⇒ 現状0.3%で目標達成
⇒ 現状0.7%で未達。原因は新人教育不足と判明。追加研修を実施中
マネジメントシステムの各プロセスを運用した結果、どの程度効果的に機能しているか、製品・サービスが要求事項に適合しているかを報告します。
主な確認内容
各プロセスの効率性(工期、コスト、品質等)
製品・サービスの適合率
プロセス改善の効果測定
例
発生した問題・不適合と、その是正処置の状況を報告します。
主な確認内容
内部監査・外部審査での指摘事項・不適合
顧客クレームへの対応
是正処置の進捗と効果
例
ISO9001 箇条9.1.1で組織が設定した監視及び測定の結果を報告します。
主な確認内容
品質指標(不良率、納期遵守率、顧客満足度など)
プロセス指標(工程能力、生産性など)
製品・サービス指標(検査合格率、返品率など)
例
内部監査や外部審査(認証審査)での指摘事項と対応状況を報告します。
主な確認内容
内部監査の実施状況
外部審査での評価
指摘事項(不適合、観察事項)
改善の機会の提案
例
外部提供者(サプライヤー、外注先など)を採用している場合、運用した結果を報告します。
主な確認内容
納期遵守率
品質評価(不適合発生率など)
¥
コスト競争力
対応力・柔軟性
例
マネジメントシステムを維持・改善するために必要な資源(人、設備、インフラ、予算など)が過不足ないかを報告します。
主な確認内容
人員の充足状況
設備・機器の状態
教育訓練の実施状況
予算の妥当性
例
ISO9001 箇条6.1で特定したリスクと機会への取組みが役に立ったかを報告します。
主な確認内容
リスク対応計画の
進捗状況
新たに
顕在化したリスク
機会の活用状況
リスク低減の
効果測定
例
マネジメントシステムの改善すべき点を報告します。
主な確認内容
プロセス改善の提案
新技術の導入検討
組織体制の見直し
教育訓練の強化
例
マネジメントレビューの結果として、以下の事項を決定し、記録する必要があります。
「記録」とは
JISQ9001:2015 箇条9.3.3では、「組織は、マネジメントレビューの結果の証拠として、文書化した情報を保持しなければならない」と定められています。
ここでは、マネジメントレビューで決定した事項を記録することを求めています。
文書化した情報など、文書管理に関する詳細は下記の記事をご参照ください。
ISO9001における文書管理の要求事項を具体的に解説。文書化が必要な事項、適切な作成・更新、管理方法について詳しく説明し、効率的な品質管理体制を構築するための実践的なアドバイスを提供します。
インプットで報告された情報を踏まえ、トップマネジメントが具体的な改善の方向性を決定します。
アウトプットとしての「改善の機会」は、経営判断として実施を決定した改善施策です。
例
品質方針や品質目標、品質マネジメントシステムそのものを変更する必要があれば、変更を指示します。
マニュアルや手順書の改訂、プロセスの追加・削除、組織体制や適用範囲の変更などが含まれます。
例
改善や変更を実施するために必要な資源(人員、設備、予算など)について決定します。
主な決定内容
人員の増員
・配置転換
設備・機器の
導入・更新
予算の配分
教育訓練の実施
例
ISO14001(環境マネジメントシステム)やISO27001(情報セキュリティマネジメントシステム)などの他規格でも、基本的な枠組みは同様です。
ただし、規格ごとに確認する内容が異なる部分もあります。例えば
しかし、「外部・内部の課題」「目標達成状況」「リスク及び機会」「資源の妥当性」などの主要項目は共通しており、統合マネジメントシステムとして複数規格を一括でレビューすることも可能です。
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マネジメントレビューは、あらかじめ定めた間隔で行うことが要求されています。
具体的な頻度は定められていませんが、一般的に、年1回以上の実施が推奨されています。組織の規模や状況に応じて、四半期ごとや半期ごとに実施することも有効です。
ただし、形式的な実施にならないよう、十分な準備と議論の時間を確保することが重要です。
マネジメントレビューには以下のメンバーが参加します。
注意点
経営者が「委任だけ」で実質的に関与しない場合は、マネジメントレビューとして認められません。
経営トップが実際に参加し、意思決定を行うことが必須です。
マネジメントレビューは以下の方法での実施が可能です。
ISO認証審査では、マネジメントレビューの実施記録だけでなく、レビュー結果が実際の改善活動に結びついているかを確認します。
審査員が見るポイント
ISO認証審査の観点では、マネジメントレビューの結果が実際の改善活動に結びついているかを重視します。単に「レビューを実施した」という記録だけでは不十分で、その結果として組織のパフォーマンスがどう向上したかが問われます。
書面レビューも可能ですが、経営者の関与が明確に記録されていることが必要です。
具体的には、レビュー資料への経営者のコメントや承認印、決定事項への署名などが求められます。ただし、対面やオンラインでの会議形式の方が、議論の内容や経営者の判断プロセスが明確になるため推奨されます。
はい、複数の規格を統合してマネジメントレビューを実施することは可能です。
ただし、各規格で求められるインプット項目(例:ISO14001では環境側面、ISO27001では情報セキュリティインシデントなど)をすべて網羅する必要があります。
ISO規格では具体的な保管期間は規定されていませんが、一般的には最低3年間の保管が推奨されます。審査では過去のレビュー記録と現在の状況を比較することがあるため、継続的な改善の証拠として複数年分の記録を保管しておくことが望ましいでしょう。
ISO9001における文書管理の要求事項を具体的に解説。文書化が必要な事項、適切な作成・更新、管理方法について詳しく説明し、効率的な品質管理体制を構築するための実践的なアドバイスを提供します。
実施できなかった理由を明確にし、次回のマネジメントレビューで報告することが重要です。「なぜ実施できなかったのか」「代替策はあるか」「計画を修正する必要があるか」を経営層が判断し、記録に残します。
重要なのは、決定事項をただ実施するだけでなく、その結果や問題点を次のサイクルに活かすことです。
マネジメントレビューは、経営判断のツールとして活用すべきISOの中核プロセスです。形だけの実施では、組織にとって価値がありません。
マネジメントレビューを有効活用するためのポイント
感覚ではなく、数値や事実をベースにする
次回レビューまでにフォローアップする
問題点の指摘だけでなく、改善のチャンスとして前向きに取り組む
有効に機能しているマネジメントレビューは、組織の継続的改善を支える強力なツールです。
「形だけのISO」とならないよう、マネジメントレビューを経営改善に活かすことで、組織の持続的な発展を実現していきましょう。
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2023年東京スタンダード設立。エイエスアール株式会社、アームスタンダード株式会社、アフノールジャパン株式会社、QAICジャパン株式会社をグループ会社として持ち、ISO認証登録件数グループ合計5,500件以上の実績を持つ。長年の経験とノウハウを活かして、ISOをより活かすことができるお役立ち情報を発信。
記事の監修者
東京スタンダード編集部
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