公開日:2025年7月1日
内部監査でそのまま使える!無料でチェックリストを配布中
内部監査でそのまま使えるチェックリストを無料配布中!要求事項だけでなく、質問形式に内容を落とし込み、記入例や説明もあるので、初めて内部監査を実施する方にもおすすめです。
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ISO14001における内部監査とは、自社の環境マネジメントシステム(EMS)が規格や法的要求事項を満たしているか、また、自社の方針・目標に合致し、有効に運用されているかをチェックする重要な活動です。
特に、ISO14001には「環境側面」や「順守義務」など、規格特有の項目があるため、聞き方の工夫が必要になってきます。
一方で、「何を聞けばいいのかわからない」「チェックリストを作ってみたけど、ただの確認作業になってしまう…」「実際の現場に合った切り口がわからない」「改善に繋がるような質問ができない」と感じている方も多いはずです。
本記事では、現場ですぐに使える質問例と、現場で実際に使える“改善につながる監査”を行うためのポイント、サンプリングを活用した効果的な聞き方までを解説します。新任監査員の方はもちろん、長くISO業務に携わっている方の“質問力”の見直しにも役立つ内容です。
ISO14001のこれまでの要求事項からの変更点や既存の認証登録に対する影響、認証機関の審査でチェックされるポイントを解説していきます。
内部監査は、「不備を探すためのもの」と思われがちですが、本来の目的はそれだけではありません。ISOにおける内部監査は、以下のような目的を持っています。
ISO内部監査の進め方や必要な文書、運用ポイントを解説。効果的な内部監査を実施するうえで必要な情報をまとめています。
ライフサイクルとは、製品やサービスの製造に必要な原材料から、製造、販売、廃棄までの一連の流れのことです。
ISO14001では、「6.1.2 環境側面」「8.1 運用の計画及び管理」の2箇所について、ライフサイクルの視点を取り入れ、組織が管理・影響を及ぼすことができる範囲内のライフサイクルの段階を考慮することが求められています。
ISO14001では、法的要求事項および組織が決定したその他の要求事項の順守が重視されています。内部監査では、部門ごとに対象法令の特定や更新、現場での周知状況を確認しましょう。
また、取り扱う製品や事業内容が変化すると、順守すべき法令なども変わってくるため、注意が必要です。
環境パフォーマンスとは、組織の環境方針や環境目標に対する活動結果のことです。
ISO14001では、環境マネジメントシステムを継続的に改善し、環境パフォーマンスを向上させることを目的としています。
監査では、環境目標が定められているだけでなく、達成状況の確認や目標未達時の対応まで見ていくことが必要です。
ISO14001の要求事項の考え方に関して、多くの組織様からいただいているご質問と解説をご紹介します。
これからISOを取得する、あるいは取得済みの組織様におすすめの「ISO14001 よくある質問解決ブック」です。
内部監査では、規格要求事項に「~しなければならない」と定められている項目に関して、確認し、運用の不備を見逃さないような質問を行う必要があります。
ここからは、ISO14001を取得している企業の内部監査でよくあるシーンを想定して、そのまま使える質問例をPDCAサイクルに基づいて紹介していきます。
(該当するISO14001要求事項:7.2 力量、7.3 認識、7.4 コミュニケーション)
(ポスター、メール、社内SNSなど)
(該当するISO14001要求事項:8.1 運用の計画及び管理)
(該当するISO14001要求事項:6.2 環境目標およびそれを達成するための計画策定)
(工場・ライン・作業者)
ISO 14001:2015 要求事項:6.1.2 環境側面、6.1.3 順守義務、8.1 運用の計画及び管理)
(該当するISO 14001:2015 要求事項:6.1.3 順守義務、10.2 不適合及び是正処置)
(騒音、臭気、排水などの苦情)
(ミーティング、ダッシュボード、1on1など)
内部監査の限られた時間の中で、すべての活動や記録を確認するのは現実的ではありません。
そのため監査では、対象となる活動や記録から一部を選んで確認する「サンプリング」の考え方が重要になります。
このとき、ただ抜き取るのではなく、「どこを、どう選ぶか」「その選び方をどう質問につなげるか」で監査の有効性が左右します。
また、サンプリングによる質問を行う際には、偏りが生じないよう注意するとともに、リスクが高い領域や重要なプロセスについては、重点的に確認を行いましょう。
✔check! サンプリングにおいて、優先すべきポイント
最初に、監査の対象となる「母集団(監査で確認しようとしている項目全体)」を特定します。
例えば、調達プロセスを確認する場合は「過去1年間の購買記録」「取引先リスト」「納品書台帳」など、対象となるすべての記録やデータを一通り提示してもらいます。
🔍 Point
母集団が曖昧なままでは、サンプルの信頼性が低下します。
「何を根拠に監査するのか」をはっきりさせることが、効果的な監査の第一歩です。
次に、特定した母集団を「種類別」に分類します。例えば、測定機器なら「電気測定器」「温度測定器」などのようにグループ分けすることで、偏りなくバランスよく監査できるようになります。
🔍 Point
層別を行うことで、「特定の種類ばかりを選んでいた」といった偏りを防げます。
母集団の性質に応じた適切な分類がポイントです。
層別した各グループから、実際に監査対象とするサンプルを選びます。たとえば、「購買先を取引金額の多い上位3社」「測定器を種類ごとに1台ずつ」といった形で、母集団の全体像をカバーできるよう工夫します。
🔍 Point
重要なのは「なぜそのサンプルを選んだのか」が説明できることです。
リスクや使用頻度など、監査目的に合った選び方をしましょう。
✔check! 質問の仕方の例(供給者の評価記録)
ISO14001の内部監査は、単なる記録確認やルールのチェックに留まらず、「環境改善のヒントを発見する場」として活用することが重要です。
・PDCAの流れを意識した質問
・境側面・順守義務・ライフサイクルといった規格の核心に迫る視点
・サンプリングを活用し、重要な部分にフォーカスした質問の工夫
これらを押さえることで、表面的な確認に終始せず、現場との対話から「気づき」を引き出し、実効性のある改善へとつなげることができます。
内部監査を“変化を起こすきっかけ”にするためにも、質問の質、そして監査員の力量向上が不可欠です。本記事の内容を、実際の監査活動にぜひお役立てください。
また、当社では、内部監査員向けの研修サービスとしてセミナーやeラーニングの提供を行っています。これを機に自社の内部監査員のレベルアップを図ってみませんか。
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2023年東京スタンダード設立。エイエスアール株式会社、アームスタンダード株式会社、アフノールジャパン株式会社、QAICジャパン株式会社をグループ会社として持ち、ISO認証登録件数グループ合計5,500件以上の実績を持つ。長年の経験とノウハウを活かして、ISOをより活かすことができるお役立ち情報を発信。
記事の監修者
東京スタンダード編集部
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