公開日:2025年2月12日
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ISO/IEC27001とは、ISO(国際標準化機構)とIEC(国際電気標準会議)によって共同で策定された、情報セキュリティマネジメントシステムに関する国際規格です。
また、ISMS(Information Security Management System)は、情報セキュリティマネジメントシステムの仕組みそのものを指しています。
情報漏えいなどの情報セキュリティ事故が起こると、事業活動への支障・損害が生じ、場合によっては事業活動が継続できなくなることもあります。
また、利害関係者にも損害・影響が及ぶと、信用の失墜や損害賠償請求につながる可能性もあります。
このようなリスクから自社を守るために、情報セキュリティマネジメントシステムによって適切に管理できる仕組みを構築し、運用していくことが重要となります。
「CIA」とは?
● 機密性(Confidentiality)
:認可されていないところに情報を開示・使用させないようにすること
● 完全性(Integrity)
:情報が正確で完全であること
● 可用性(Availability)
:許可されたところで必要なときに閲覧・利用できる可用性を維持すること
ISO/IEC27001の認証を取得することで、以下のメリットが期待できます。
メリット
◎ 情報セキュリティ事故の減少
リスク評価が定期的に実施される仕組みが整うため、情報漏えいやサイバー攻撃による不正アクセスのリスクが軽減し、事業継続や品質向上につながるだけでなく、企業価値の維持にも大きく寄与します。
◎ 社員の意識改革
内部体制の可視化が促され、社員間のセキュリティ意識が高まることで、情報資産を保護するうえでのルールや手順がしっかり定着します。
◎ 顧客や取引先からの信頼を獲得
第三者による認証審査をクリアした証しとなるため、顧客や取引先に対してセキュリティ管理水準の高さを明確に示すことができ、信頼構築だけでなく新たなビジネスチャンスの獲得にも役立ちます。
◎ グローバル市場での競争力向上
情報セキュリティを強化することで、国際的な要求事項への適合が可能になり、多様な業界や市場での競争力が高まることが期待できます。
一方で、ISO/IEC27001の認証を取得するデメリットもあります。
デメリット
◎ 毎年審査を受ける必要がある
認証を取得したら永続的に維持できるわけではなく、認証取得後も定期審査または更新(再認証)審査を毎年受ける必要があります。
◎ 手間や費用がかかる
社内ルールの見直しや、新たなマニュアルの作成、社員への教育などに手間がかかります。
また、毎年の審査にかかる料金や担当者をおく人件費などの費用が発生します。
◎運用次第で形骸化してしまう
仕組みと実態が伴わない運用になると、認証を「取得すること・保持すること」だけが目的となり、形骸化した認証となってしまいます。
ISO/IEC27001の認証を取得する際は人手や予算の確保が課題となります。
その一方で、認証の維持によって長期的に社内ルールが徹底され、有効な情報セキュリティマネジメントシステムの運用や対外的な評価につながっていきます。
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ISO/IEC27001の認証取得を求められる企業の特徴として、個人情報や取引先企業などの情報を保持している点が挙げられます。
情報漏えいやサイバー攻撃による不正アクセスなどのリスクはどの企業にも存在するものですので、ISO/IEC27001はすべての業種・業態の企業に有用な規格といえます。
特に、情報サービス業(IT企業)・金融業・人材派遣業は重要な機密情報を多く保持している関係上、ISO/IEC27001認証取得企業数が多い傾向があります。
また、一般社団法人情報マネジメントシステム認定センター(ISMS-AC)では、2024年12月27日時点のISO/IEC27001(ISMS 認証)登録数が8,009件で、毎年約200~400件ずつ増加していることを報告しています。
ISO/IEC27001の要求事項は、認証を取得するために企業が実行すべき要件のことを指します。
ISO/IEC27001の認証審査では、企業の情報セキュリティマネジメントシステムの運用がこれらの要件を満たしているかを確認されます。
また、ISO/IEC27001には附属書Aとして93項目の管理策があります。
管理策とは、企業の業態や認証範囲によって適用するかを選択し運用する、情報セキュリティに関する具体的な手段や対策のことです。
では、ISO/IEC27001の要求事項と管理策にはどのようなことが記載されているか、簡単に解説します。
組織(企業)の内部および外部の課題と、情報セキュリティマネジメントシステムの範囲を決定する
経営層などのトップマネジメントが情報セキュリティ方針を策定し、責任および権限を割当て、伝達する
リスクおよび機会、情報セキュリティリスクアセスメント(※)のプロセスを決定し、情報セキュリティ目標とそれを達成するための計画を策定する
※情報セキュリティリスクアセスメント:情報セキュリティリスク(事故)が起きるのを防ぐために予測すること
情報セキュリティマネジメントシステムの運用するために必要となる支援(資源、スキルを身につけるための教育など)を提供する
情報セキュリティリスクアセスメントや情報セキュリティリスク対応計画を実施し、計画どおり実施できたかを文書化する
情報セキュリティマネジメントシステムが計画どおりに達成されたかを監視、測定、分析、評価する
不適合が発生した場合は是正処置を実施し、情報セキュリティ目的を達成できるよう継続的に改善する
箇条4~10はISO/IEC27001に対する要求事項となっており、いかなる要求も除外できません。
自社の業種・業態やISO/IEC27001の認証範囲をもとに、どの管理策を適用する必要があるかを確認しましょう。
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それでは、ISO/IEC27001認証取得の検討を始めた企業が、知っておくべきポイントを2つ説明します。
ISO/IEC27001の認証を取得するための準備の方法は3つあります。
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それぞれの特徴は「費用が高額/低額」「マネジメントシステム構築スピードが早い/遅い」で分けられ、どの方法が自社に適しているかは時間的余裕やリソースなどによって異なります。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
ISO/IEC27001の認証取得準備が整ったら、認証機関への審査申し込みを行います。
申し込みや契約が完了したら、認証機関は審査日程や審査員のチーム編成を決定します。
ISO/IEC27001を取得する際の審査は「初回審査」と呼ばれ、ステージ1とステージ2の2段階で構成されています。
審査員が企業に出向き、文書のレビューや現場での実際の活動を観察したり、インタビューしたり、記録をレビューしたりして、ISO/IEC27001の要求事項に適合しているかをチェックします。
もし不適合と判断された箇所があれば、問題の解決や再発防止のための処置として是正処置を行います。
そして、認証機関は判定会議を行い認証登録の可否を決定します。
ISO/IEC27001の認証を取得すれば、国際規格への適合を示すマークを掲示でき、取引先や社外の関係者に対して、高い信頼性を示せるようになります。
審査申し込みから認証取得までの流れをさらに詳しく説明します。ISO認証審査に臨む前に、ぜひチェックしてください。
情報セキュリティマネジメントシステムは、第三者からの審査によって得た指摘をもとに継続的に改善することで、さまざまなリスクへの対処力を高めることができます。
ISO/IEC27001の認証を取得予定の企業は、ISO/IEC27001やISMSへの理解を深めながら、何から取り組むかを検討してみてください。
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2023年東京スタンダード設立。エイエスアール株式会社、アームスタンダード株式会社、アフノールジャパン株式会社、QAICジャパン株式会社をグループ会社として持ち、グループ年間審査件数5,300件以上の実績を持つ。長年の経験とノウハウを活かして、ISOをより活かすことができるお役立ち情報を発信。
記事の監修者
東京スタンダード編集部
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