公開日:2025年4月22日
ISO14001 要求事項の考え方に関する質問と解説を紹介!
ISO14001の要求事項の考え方に関して、多くの組織様からいただいているご質問と解説をご紹介します。これからISOを取得する、あるいは取得済みの組織様におすすめの「ISO14001 よくある質問解決ブック」です。
この記事は8分で読了することができます。
「ISO14001を取得したいが、要求事項の内容が分からない…」このようなお悩みをお持ちではありませんか?
環境マネジメントシステム(EMS, Environmental Management System)の導入は、環境影響の低減や法令順守の強化だけでなく、企業の信頼性向上にもつながる重要な取り組みです。
しかし、具体的に何をすればよいのか分からず、手探り状態の担当者様も少なくありません。
本記事では、ISO14001の要求事項の概要を解説し、取得を目指す企業がおさえるべきポイントを紹介します。
環境影響低減の第一歩として、ISO14001の正しい知識を身につけ、貴社の成長につなげていきましょう!
ISO14001は環境管理に関する国際規格であり、環境上のリスク低減や環境の保護を目的としたマネジメントの仕組みとして活用されます。
国際標準として定められたこの規格は、上記の環境リスクの低減などの目的以外にも、法令順守や改善活動の継続を重視しています。
ISO14001を導入することで、企業は以下のようなメリットがあります。
環境関連の法令や規制を順守する体制が整うため、法的リスクを減少させることができます
環境負荷の削減に取り組むことで、エネルギーや資源の効率的な使用が促進され、コスト削減が可能となります
環境保護に積極的に取り組む企業として、社会的な評価が高まります
環境に関連するリスクを適切に管理し、予測される問題に早期に対応できます
ISO認証の概要から審査の流れまで、網羅的に理解することができます。ダウンロードすることで、何度も見られて便利です。ISOを気軽に知ってみませんか?
ISO14001:2015の構成は、以下のようになっています。このうち、4~10章が要求事項となっています。
序文 | 7. 支援 |
1. 適用範囲 | 7.1 資源 |
2. 引用規格 | 7.2 力量 |
3. 用語及び定義 | 7.3 認識 |
4. 組織の状況 | 7.4 コミュニケーション |
4.1 組織及びその状況の理解 | 7.5 文書化した情報 |
4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解 | 8. 運用 |
4.3 環境マネジメントシステムの適用範囲の決定 | 8.1 運用の計画及び管理 |
4.4 環境マネジメントシステム | 8.2 緊急事態への準備及び対応 |
5. リーダーシップ | 9. パフォーマンス評価 |
5.1 リーダーシップ及びコミットメント | 9.1 監視,測定,分析及び評価 |
5.2 環境方針 | 9.2 内部監査 |
5.3 組織の役割、責任及び権限 | 9.3 マネジメントレビュー |
6. 計画 | 10. 改善 |
6.1 リスク及び機会への取組み | 10.1 一般 |
6.2 環境目標及びそれを達成するための計画策定 | 10.2 不適合及び是正処置 |
10.3 継続的改善 |
✔check! 「要求事項」とは?
要求事項はPDCAサイクルに沿った構成になっており、下図のようになっています。
要求事項が多く、はじめは何を要求されているのか理解が難しいと思います。
そこで、まずはISO14001の要求事項をざっくり整理して見ていきましょう。
(例:内 ⇒ 車両の稼働によるCO2の排出 / 外 ⇒ CO2排出規制の強化)
(例:ステークホルダー ⇒ 取引先の企業 / 求めていること ⇒ 環境負荷の少ない製品の開発)
(例:環境方針を発表し、各部署の掲示板へ掲載する)
(例:リスク ⇒ 自社商品の価格高騰 / 機会 ⇒ 付加価値を付けてブランド化し、競合他社と差別化する)
(例:××年までにCO2排出量を○%削減)
(例:新入社員研修で環境マネジメントシステムの取組みについて説明する)
(例:環境手順書の作成と定期見直し)
(例:工場の廃水管理マニュアル)
(例:対応ルール ⇒ オイル漏洩時の対応フロー)
(例:年2回の内部監査で「従業員が業務に必要な技能を備えた」という記録があるかを確認する)
(例:エネルギー消費量のモニタリングと改善)
(例:排水処理の不具合を改善し、再発防止策を講じる)
ISO14001の基本的な概念に関して、多くの組織様からいただいているご質問と回答を簡単に紹介します。
ホワイトペーパーを用意しておりますので、詳しい解説はそちらをご参照ください。
簡単に説明すると、直接・間接、有害・有益かかわらず、環境側面(環境に作用する自社製品・サービスやその活動)は環境影響を引き起こします。
例えば車両の稼働によってCO2が排出され(環境側面)、地球温暖化が進む(環境影響)などです。
組織の状況や目的に応じた、最適な方法を用いて決定しましょう。
ホワイトペーパーにて、著しい環境側面を決定する方法を4つ、その長所・短所も含め説明しておりますので、詳しい方法はそちらをご参照ください。
組織の活動に関連する顧客や取引先に影響すると思われる環境側面を、ライフサイクルの段階ごとに明確にし、環境影響を低減する活動に取り組みましょう。
ISO14001の認証を取得するためには、審査に向けてしっかりと準備を整えることが重要です。
まず、マネジメントシステムの構築方法を検討し、認証取得の流れについて知る必要があります。
弊社では、システム構築する3つの方法や認証取得の流れ、内部監査についてなど、ISOに関する記事を公開しています。ぜひご活用ください。
ISO取得に向けた準備方法として、自社のみで準備/コンサルを利用/構築サポートツールを利用 の3つの方法をご紹介します。
ISO認証取得までの流れと、まず決めること(認証取得全体に関わる項目/マネジメントシステム構築方法/認証機関)を解説します。
この記事では、ISO14001の要求事項について、PDCAサイクルとの関係や具体例を交えて解説しました。
ISOの構築・運用で多くの企業が悩まれるのが、「文書作成」と「文書管理」です。
はじめはISOの理解は難しいかもしれませんが、はじめて取得されるお客様でも簡単に文書を作成できるよう、当社では文書テンプレートなどを使って簡単に文書作成を行える「T-webサービス」をご提供しています。
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企業の規模や準備状況によりますが、数ヶ月から1年程度かかります。
弊社で取得する場合は、弊社が販売するT-webで準備に9か月、審査に半年程度と、準備から取得まで1年から1年半程度かかります。
コストは、企業の規模や内部準備の状況によって異なります。ISO取得に必要な費用は審査費用のみですが、コンサルティングに始めの準備を任せる場合は、コンサルティング費用がかかります。
企業の規模や業種によって対応の仕方が異なりますが、基本的には全項目に対応が必要です。
ISO14001は環境上のリスク低減、ISO9001は顧客満足の向上を目的としています。
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2023年東京スタンダード設立。エイエスアール株式会社、アームスタンダード株式会社、アフノールジャパン株式会社、QAICジャパン株式会社をグループ会社として持ち、ISO認証登録件数グループ合計5,500件以上の実績を持つ。長年の経験とノウハウを活かして、ISOをより活かすことができるお役立ち情報を発信。
記事の監修者
東京スタンダード編集部
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