公開日:2026年8月5日
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こうした悩みを抱えている情報システム担当者・総務担当者の方は、決して少なくありません。
セキュリティチェックシートは、ISMSなどの情報セキュリティ認証を取得していない企業にとって、初めて向き合うと戸惑うことが多い書類です。
この記事では、セキュリティチェックシートの基本的な意味から、実際にどう書けばよいかというカテゴリ別のポイント、そして記入の負担を軽減する方法まで、順を追って解説します。
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セキュリティチェックシートとは、委託元企業が、サービス提供事業者や業務委託先に対して、情報セキュリティ対策の実施状況を確認する文書(リスト)のことです。「委託先評価シート」「サプライヤーセキュリティ評価シート」などと呼ばれることもあります。
内容は、組織的な体制の整備状況から、パソコンやサーバーの管理方法、従業員教育の実施状況まで多岐にわたります。
多くのチェックシートは、経済産業省・総務省・IPA(情報処理推進機構)が公表しているガイドラインや、ISO/IEC27001(情報セキュリティマネジメントシステム=ISMSの国際規格、以下ISMS)の管理策をベースに作成されています。
チェックシートの提出を求められる背景には、自社が保有する情報を業務委託先経由で流出させないためのリスク管理などがあります。
セキュリティチェックシートへの回答を求められる背景には、主に以下のような事情があります。
つまりチェックシートは、委託元企業が法律上の監督義務やリスク管理の一環として、責任を持って行っている確認です。
セキュリティチェックシートの設問は企業ごとに異なりますが、多くの場合、以下のような大枠のカテゴリに整理できます。
ここでは、それぞれのカテゴリについて「よくある項目例」「社内のどの部門に/何を確認すれば回答できるか」「実施できていない場合の書き方」の3点を解説します。
なお、いずれのカテゴリも共通して言えることですが、実施していない項目があっても、無理に「対応済み」と書く必要はありません。「今後対応予定」「検討中」のように、実態に即して具体的に書きましょう。
ISMSを運用している企業であれば、ここで挙げたような項目にはすでに対応できていることが多く、チェックシートの記入内容にも困りにくくなります。
よくある項目例
経営層・総務 など
情報セキュリティに関する責任者と組織体制を定めています。
よくある項目例
人事・総務 など
新入社員研修にてセキュリティ教育を実施しているほか、年4回の全体会議および定例学習会において必要に応じて実施しています。また、最新のセキュリティ情報については都度通達を行っています。
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よくある項目例
情報システム部門・総務 など
鍵の管理担当者を定め、来客時は必ず社員が同行しています。
よくある項目例
情報システム部門 など
ID・パスワード認証に加え、認証アプリ(TOTP)によるワンタイムパスワードでの多要素認証を導入しています。管理者権限の登録・削除手順も定めています。
よくある項目例
情報システム部門 など
ウイルス対策ソフトを導入し、脆弱性情報を継続的に収集した上で、緊急度に応じてパッチを適用しています。
よくある項目例
情報システム部門・経営層 など
インシデント発生時は、システム内通知・メールにて速やかに関係者へ連絡する体制を取っています。
よくある項目例
調達・購買部門(または契約管理部門) など
委託先の情報を開示できる体制を整えており、業務委託契約や秘密保持誓約書で委託先の管理・守秘義務を規定しています。
セキュリティチェックシートへの対応は、一度きりで終わるものではなく、取引先が増えるたびに繰り返し発生します。組織によってはセキュリティチェックシートの回答に数時間~数営業日かかることもあり、不明な箇所があればさらに時間も業務量も増え、担当者の負担はとても大きいものとなっています。ここでは、その負担を軽くするための方法を4つご紹介します。
一度、全カテゴリの回答を整理した資料を社内で作成しておくと、チェックシートが届くたびにゼロから調べ直すのではなく、コピー&微調整で対応できるようになります。3のカテゴリ別ガイドを参考に、社内の状況を一度棚卸ししておきましょう。カテゴリごとにまとめておけば、取引先ごとにフォーマットが違っても流用しやすくなります。
チェックシート対応が特定の担当者に依存していると、その人が不在のときに対応が止まってしまいます。あらかじめ窓口を決め、関係部署への確認フローを整えておくと、属人化を防げます。
過去の回答内容を流用したり、入力作業を効率化したりできる、セキュリティ評価・VRM関連のツールも登場しています。対応件数が多い企業では、こうしたツールの導入も選択肢の一つです。
ここまでの方法は、チェックシートへの対応を「効率化」するものですが、ISMSの認証を取得することで、対応の発生自体を減らせる場合があります。
第三者機関の審査を通過して認証を取得している企業は、すでに客観的な基準で対策状況が確認されているとみなされ、取引先によっては、チェックシートの提出自体が不要になったり、設問数が大幅に減ったりするケースがあります。
また、IPAが2025年に公表した「2024年度中小企業における情報セキュリティ対策に関する実態調査」では、取引先からのセキュリティ要請(例:セキュリティチェックシートへの記入)に応じたことが実際の取引につながったと回答した企業の割合は、ISMS取得企業で約7割超、未取得企業では約3割 にとどまっており、認証の有無による差が明確に表れています。
出典:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「2024年度 中小企業における情報セキュリティ対策に関する実態調査報告書(概要説明資料)」(2025年5月)12ページ
(https://www.ipa.go.jp/security/reports/sme/nl10bi000000fbx3-att/sme-gaiyou-report2024r1.pdf)
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A. 呼び方の違いであり、内容としてはほぼ同じものを指す場合が多いです。
取引先によって呼称が異なります。
A. はい、正直に書くことをおすすめします。
多くの取引先は「完璧な対策」を求めているのではなく、実態を正確に把握したいと考えています。実態と異なる内容を記載すると、後の監査や事故発生時に、かえって信頼を損なうリスクがあります。
A. まずは社内の関係者(総務、情報システム担当など)にヒアリングしましょう。
それでも判断がつかない場合は、取引先の担当窓口に質問することも可能です。多くの取引先は、質問に対して補足の説明をしてくれます。
A. 一度、自社の対策状況を整理した「標準回答」を社内で作成しておくと、毎回ゼロから調べ直す手間を減らせます。
加えて、ISMSの認証を取得することで、そもそもチェックシートへの対応自体が減ったり簡略化されたりするケースもあります。
A. 認証がなくても、実態を正確に記載していれば通過するケースは多くあります。
ただし、取引先によっては認証の有無を選定条件の一つにしている場合もあります。
A. 明確な決まりはありませんが、担当窓口を1つに絞ることをおすすめします。
設問は情報システム部門だけでなく、人事・総務など複数部門にまたがる内容が含まれることが多いため、窓口となる担当者が中心となり、関係部署に確認しながら進めるとスムーズです。
最後に、ここまでのポイントをおさらいします。
チェックシートへの対応は、担当者の負担が非常に重いものです。対応業務を都度の作業として繰り返すのではなく、標準回答の準備や ISMS の取得によって負担を軽減するという選択肢もあります。
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記事の監修者
東京スタンダード編集部
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